国境を越えた多様性への価値観

5期生 佐久間 仁美
公私混同甚だしい。彼女にピッタリの言葉であると同時に、誰もが羨む生き方であるだろうなとインタビューを通じて感じた。好きなことに対する情熱的な行動力を表現しつつ、しぶしぶぶという媒体の特性を考慮した構成と言葉を意識しながら話をすすめる彼女自身が次世代のクリエイター像そのものである。
佐久間さんのHPはこちらwww.sakuma69.com

今現在、どんな私生活や仕事をしていますか?

イラスト、コスプレを扱ういわゆる「COOL JAPAN」と呼ばれる業界の企画職です。「pixiv」という世界最大級のイラストSNSで、運営企画を担当する部署でプロダクトマネージャーとして務めています。オタクコンテンツをメインに日本や全世界のユーザーを盛り上げる企画を考えたり、作品を投稿したくなる仕組みを作ったりしながら、今は自社メディアにも一部携わっています。特殊な業界ですが、渋渋で培った国境を越えた多様性への価値観や好きなものを好きなだけ勉強して極めた経験が、不可思議で未来のある今の仕事に繋がっていると感じています。

趣味はコスプレです。趣味も極めると意外と形になるもので、渋渋の英語力も手伝ってアジアを中心に何度か海外のイベントにご招待頂きました。コンテンツが好きな人たちと交流したり、ドイツの出版社から本が出たりなど、公私ともにオタクを極めた生活を送っています。写真はキャラクター物などの版権作品ではなく、創作やファッションをテーマに撮影するようになりました。渋渋時代はまさかこんな生活を送るとは夢にも思っていませんでしたが、国内外の垣根を越えたクリエイティブに関わる仕事や趣味が、今自分にあることはすごく幸せなことだと思います。

渋渋時代の経験から今に繋がっていることはありますか?

本当に渋渋を楽しみ尽くして、自分らしくのびのび育った6年間を送りました。2年間特待生として勉学にも励んでいた一方で、中高6年間全て飛竜祭実行委員→実行委員長という「超・お祭女」として過ごしました。飛龍祭の全体の運営統括もしながら、クラスの出し物の劇の脚本・演出を何度も担当して結果を出せたのは、舞台や映画などの好きなコンテンツを大量に見続けて分析した継続性と、優秀で信頼の置ける仲間とのタッグで成し得たことだと思います。渋渋生の進路は一人一人全く異なりますが、一度会えば当時の思い出話から、懐かしい授業の内容が飛び交う大喜利(!)まで、いくら話をしても尽きることがないかけがえのない仲間です。

一方で、私は帰国子女ではなかったものの渋渋のおかげで英語に苦手意識がなく、既に14カ国以上を訪問しました。多様性を自然に受け入れ、国内外を問わない広い繋がりがCOOL JAPANコンテンツの熱量を多角的に見る視点を育んだり、全世界のユーザーを巻き込む考え方の大事な根幹となっています。

夢や目標そして在校生に向けてのメッセージをお願いします。

私はコスプレや今までの仕事を通じて、日本のコンテンツを待っている人がたくさんいる一方で、その特異性で日本を認識している人が多いことを深く感じます。私の夢は、国境や肩書きに縛られずに「つくる」人が増えることです。形はイラストや漫画でも、本業でも趣味でも良いと思います。自分から生まれた物が誰かの心を動かす瞬間は、何物にも代えがたい喜びがありますよ!中学1年生の時の校長講話でも「まなぶはまねぶ」というキーワードが出てくるのですが、まずは先人の作品を見て感動して、真似しながらクリエイティブ精神を開化させるーーつくる、みる、つくりたくなる、というサイクルで新しい作品や才能が溢れ、次世代のクリエイターが生まれるような仕事をし続けていきたいです。

海外での経験を通じて、私たちはいかに恵まれた生活である一方で、すごく狭い価値観で生きていることを実感しました。渋渋には、中国・ベトナム・オーストラリアなど国外の文化に触れるきっかけが数多くあります。是非、自分が肌で感じた経験や目で見た物や風景、出会った人との体験を大切にしてください。WEB上の情報やニュースよりも、瑞々しい価値観や新たな気づきをもたらしてくれるはずです。一生の宝物になる6年間を大切に過ごしてください。

人物紹介
5期生 佐久間 仁美
早稲田大学商学部を卒業後、証券会社などを経て現職。最近ではpixivエイプリルフール企画「ありがたや〜ボタン」、2,000万ユーザー突破・9周年記念「黒歴史ランチャー」を企画/統括。個人のコスプレイヤー活動も日本にとどまらず海外イベントなどへ活動の場を広げ「COOL JAPAN」の一翼を担う期待のクリエイターとしての一面も持つ。[佐久間さんのHPはこちらwww.sakuma69.com]

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