高い組織成果と個人の幸福感
現在のキャリアに至った経緯を教えてください。
日本の大手メーカーで働くエンジニアだった父の影響から、物心ついた頃から自分もエンジニアや研究者の道を歩むと思っていました。物理も化学も好きで、どちらも生かせる道を模索した結果、材料工学の道に進む。しかし、大学院まで進んで、「これは自分の道じゃない。自分じゃない誰かでも歩める道だ」という違和感が心の中でどんどん大きくなっていきました。「バレーボール部」と「居酒屋」という2つの組織におけるリーダー経験から、人の感情や組織の一体感の状態によって、その後に広がる光景が虹色になることもあれば、真っ黒にもなりえることを経験してきました。物質は基本的に初期条件と環境を一定に保てば、一定の未来が見込めるが、現実の組織においてはそんな単純な話ではない。そんなことを思うにつれて、私の脳を支配していったのは、「物質や数式」ではなく、「感情や組織」でした。この再現性のない「感情や組織」というものについて科学し、高い組織成果と個人の幸福感が常に得られるマネジメントを追求してみたい。そんな先の見えないトンネルに飛び入るような想いで、私は研究者の道を捨て、モチベーションを科学する経営コンサルタント「モチベーションエンジニア」を志し、株式会社リンクアンドモチベーションに入社しました。
リンクアンドモチベーションは世界で初めてモチベーションにフォーカスした経営コンサルティング会社です。従業員のモチベーションを企業の成長エンジンとする「モチベーションカンパニー」創りを通じて、企業の収益化を支援しています。入社後は、自社グループ全体へのコンサルティングを行う管理本部に所属し、主に財務会計・管理会計といった側面から経営企画業務に従事し、中期経営計画、IR(株主・投資家向けの情報提供活動)、M&Aといったテーマに取り組みました。現在は広報・秘書という社長室にあたる部署でIRとPR(社外広報)を統括しています。
渋渋時代に経験、体験し思い出深いことを教えてください。
中高時代の思い出は、部活動に尽きます。中学入学時に仲間と、「背が伸びて、モテるらしい」という理由で、男子バレーボール部を創設しました。部員はギリギリ試合に出れる6人での船出。出来立ての中1しかいない弱小クラブに割り当てられる体育館はなく、当時は階段の踊り場で練習していました。振り返ってみると「お前らとは違って新しいことにチャレンジしてるんだぜ」というような変なプライド(高揚感?)があったように思います。この頃から、周囲への同調よりも、自分が信じた道を歩むことにこだわりがあったのかもしれません。バレー部は素晴らしいチームメイトと、恩師に恵まれました。チームメイトは、仲間でもあり、同時にライバルでもありました。学年をも超えて切磋琢磨できる関係は大変ありがたく、今でも定期的に集まっています。(『しぶしぶぶ』で既にインタビューされている1期の友吉さんhttps://shibushibubu.com/interview/9/、4期の田中さんhttps://shibushibubu.com/interview/10/は同じコートで汗を流したチームメイトです。)部活の顧問とコーチの先生方には、よくしごかれました笑。気合いとか根性とか、本気とかマナーとか、そういった精神的内面的な強さの基礎を叩きこんでいただいたことに、本当に感謝しています。
学業についてですが、部活を引退した高校3年の夏ごろから本気を出して大学受験勉強に励みました。塾や予備校には通わず、志望校と自分の現在のレベルとのギャップを分析して、科目毎に勉強法を自分で開発して勉強しました。あとは笑い話ですが、「モテたい」という気持ちも勉強に向けた大きなモチベーションだったと思います。「いい大学に行って、見返してやるんだ!」みたいな笑。結果として、受けた大学(東工大、早慶上智など)に全て現役合格できたことは、自分の人生において大きな成功体験となりました。
叶えたい夢や目標、在校生に向けてのメッセージをお願いします。
私の夢は、「人の想いが連鎖する世界」を創ることです。私は、今の自分があるのは、自分に関わった全ての方の存在があったからと信じています。家族、友人、恩師、先輩、後輩、上司、同僚、ライバル、かつての恋人、喧嘩別れしたアイツ…そういった多くの人と、良くも悪くも様々な感情や想いを行き交わしてきました。時に傷つき、時に勇気づけられ、その繰り返しで心が成長し、自分と違う他者を受け止められるようになり、自分が人生をかけて大事にしたいテーマに辿りつけることができました。とても感謝しています。今度は私の番です。皆様にしていただいたことを、今度は自分がやる。これから出会う人々に想いを注ぐことで、後世に恩を返していこう。そう決めました。そうすることで、私を形成してくれた方々の想いを後世に継承できるようになります。まるで魂のリレーのように。こうやって、自分の人生が想いの連鎖の結節点となるような人生にしたいと今は思っています。
私はいつか肉体が滅び、息を引き取ることになると思いますが、私の想いは誰かの心で生き続けてほしいと願います。そうやって、誰かの心に残って、その誰かがポジティブな思考と行動によって、世界がまた一つ良くなる。そうすれば、私がこの世に生きた証が刻めるのではないか。命を授かった意味が少しはあったのではないかと思います。そういう達成感に包まれて幕を下ろす人生にしたい。
人と繋がり、感情や想いをぶつけていくことは、ある意味面倒なことだと思います。痛みや怪我を伴うこともあります。一人の方が傷つくこともなく、快適かもしれません。それでも、想いのキャッチボールをすることから目を背けず、向き合ってほしいと思います。それが私の願いです。この記事を読んでくださった読者の一人でも、この想いに共感していただければ幸いです。
「人の想いが連鎖する世界」という想いに共感してくださる皆様によって、さまざまな想いが永くこの世界に生き続けますように。
一瀬さんとコンタクトを希望の方はコチラ
問合せフォーム