犯罪被害者支援を弁護士として

3期生 鈴木優吾
3期生初登場!自身の犯罪被害から、志を持ち弁護士へなった鈴木さん。物腰が柔らかく淡々と話す姿は、相談者へ安心と信頼をあたえるのに必要な風格をすでに備えているように見えました。気取らず真っ直ぐな姿勢で、想いをカタチにしていく渋渋卒業生。困ったら相談しようっと(小声)

今現在、どんな私生活や仕事をしていますか?

現在、弁護士として、企業を法的にサポートするという企業法務や、労働問題、交通事故、相続や離婚などの家事事件、刑事弁護、倒産事件、医療過誤など、依頼者の方が抱える様々な法的問題を解決するお手伝いをしています。

その中でも、私が法律家になるきっかけとなった、『犯罪被害者支援活動』は、弁護士としての私のライフワークになっています。 大学1年生のとき、アルバイト先に向かう途中で路上強盗に襲われるという被害に遭いました。そのときの恐怖や、暴力による怪我の痛さ、怒りは、すさまじいものでした。その経験がきっかけで、犯罪被害に悩む人たちの助けになれればと、検察官を志すことになりました。

大学在学中から司法試験の勉強を始め、早稲田大学卒業後、明治大学法科大学院に進み、2年間法律の勉強をしました。平成23年に同大学院を卒業し、その年の司法試験に無事合格しました。

司法試験に合格すると、1年間の司法修習を経なければ法律家になることはできません。司法修習中、検察官になるべく就職活動をしましたが、実力不足で任官はできませんでした。しかし、「弁護士でも犯罪被害者支援はできるし、やればいいじゃないか」と頭を切り替え、現在では犯罪被害者支援を充実させるべく、日々活動しています。

渋渋時代の経験で思い出深いことを教えてください。

お恥ずかしいことに、高校2年生の夏までは、まるで勉強をしていませんでした。それまで、バンド活動に情熱を注いでいました。ここでは言えないほどの偏差値だったのですが、渋渋であった勉強夏合宿から猛勉強をはじめ、志望校に合格することが出来ました。

バンド活動を通じて仲良くなった同級生とは、今でも交流があります。私自身の結婚式の二次会では、当時のバンドメンバー(全員に声をかけることはできませんでしたが)に集まってもらい、来場者の前で演奏しました。演奏中、日々バンド練習をしていた高校時代を思い出し、感極まって泣いてしまうところでした。

叶えたい夢や目標、また在校生に向けてのメッセージを。

犯罪被害者は、突然犯罪に巻き込まれ、最悪の場合は命を奪われてしまうという、理不尽な事態に追い込まれます。私がそのような人たちを助けたい、力になりたいと思うのは、素朴で拙い正義感から生まれたものだと思います。

しかし、私のように犯罪被害者支援業務を行っている弁護士は、実はそんなに多くありません。また、現在の我が国の犯罪被害者支援制度は、十分に整備されているとは言えません。

今後は、弁護士会の研修などを通じて、犯罪被害者支援業務を積極的に行う担い手を増やし、また、さらなる犯罪被害者支援の充実を図り、一人でも多くの犯罪被害者が救われる社会を作るために、活動していきたいです。

在校生の皆さんは、可能性に溢れています。私は「自調自考」という言葉が好きで、「自調自考」を「自ら選択していくこと」と勝手に解釈しています。あらゆる可能性の中で、今後自分がどのような道に進むのか、選択していくのは自分です。皆さんは、一人ひとりの可能性の中で、誰にも縛られずに将来を選択する権利を持っています。その権利を行使するかどうかは、自分次第であり、また、選択した以上は、自ら責任を取らなければなりません。

それが、「海図なき海へ乗り出す」ということ、とは言えるのではないでしょうか。

人物紹介
3期生 鈴木優吾
渋渋卒業後、早稲田大学政治経済学部政治学科を経て明治大学法科大学院へ。同年司法試験に合格。弁護士として業務に邁進しながら「犯罪被害者支援」の充実を目指す。期待の有望弁護士。

鈴木さんとコンタクトを希望の方はコチラ
問合せフォーム

この記事を