MBA・Finance・Career Counselling

2期生 白石 純
大学進学直後の加速がすごい。周りから言われてきた「敷かれたレールを歩いて行くような人間」という表現を自ら理解し、つまらない自分に嫌気がさし、反骨心を生んでからの猛突進。「未知の分野で少しでも興味が沸いた事があれば経験してみる。それを通して自分自身の課題に気づき、改善の為にすぐ行動する」という姿勢になってから、バックパッカーに留学、インドでのインターン、コンサルティングファームから外資系事業会社へ、そしてCFOを志す。これって…彼が渋渋時代の経験からこそ生まれた姿勢に他ならないと思うんです。きっと。 ※インタビューは2017年2月実施。

これまでの仕事の経験や私生活を教えて下さい。

 2017年2月現在、無職です(笑)。というのも、私は大学卒業後に社会人を7~8年経験した後、昨年2016年末までスペインの大学院 (IE Business School) へMBA (Master of Business Administration) 留学をしていました。2017年3月より外資系製薬メーカーでFinance部門のManagerとして就業する予定です。よって今は卒業後の休暇中です。3月から働く企業では国内外の様々なFinanceの役職をローテーションする予定です。Financeの立場から会社の戦略上の課題に対して提言を行い、それを実行に移す仕事になると思います。

現在は働いていないので、過去の仕事概要を時系列に述べます。まず、立教大学の政治学科を卒業後、コンサルティングファームにおいてクライアントが抱える課題を解決する仕事をしていました。私は主にクライアントの内部業務(主に会計業務)を改善するプロジェクトに従事していました。クライアントが所属する業界やそれらが抱える課題は実に多様で、私がクライアントに提供すべき価値も非常にハードルが高く、学びが多かったと言えます。

コンサルティングファームから企業のFinance部門に。

コンサルタントの仕事は楽しかったのですが、徐々に、企業内部の業務改善に関する課題解決だけでなく、企業のビジネスそのものについての課題解決にもっと携わりたいと考える様になりました。また、外部コンサルタントとしてではなく、事業会社において自身の会計スキルを活かした仕事がしたいと考えました。転職活動を行った結果、外資系アグリビジネス企業のFinance部門にてBusiness Controller / Pricing Operation Managerとして働くことになりました。具体的には、製品の価格スキームの改善や予算達成の為の施策提言を担当しました。国内外の様々な部門の担当者や経営者と議論を重ねながらビジネスを改善していく仕事は非常にエキサイティングでした。

MBA留学

転機は再び訪れました。この事業会社にてビジネスに深く関わる毎に企業戦略・事業戦略についての重要性を深く認識する様になったのです。それらについてより深く学びたいと考え、上記外資系企業を退職し、MBA留学をしました。留学先のIE Business Schoolでは約70もの国々からの留学生が学んでいました(留学生比率は約90%)。また、学生のProfessional Backgroundも多様で、企業に勤めていた人は勿論、起業家、NPO出身者、公務員(事務系や軍人に至るまで)、医者、心理カウンセラー、女優と様々でした。そんな同期と共に議論し、学んだ時間はかけがえのないものになりました。

私生活の面では、バックパッカーのスタイルで海外を一人でふらふら旅することが趣味になっています。これまで50か国以上を旅してきました。実はこのインタビューの翌日から中米(グアテマラ→エルサルバドル→ホンジュラス→ニカラグア→コスタリカ→パナマ)を陸路で縦断する予定です。短期間のお休みや週末には、妻とゆっくり過ごしています。

渋渋ではどんな学生でしたか?

渋渋時代、ある同級生から思われていた私の印象は「敷かれたレールを歩いていくような人間」だったそうです。渋渋では主に授業や部活(バスケ部と軽音部)以外、何もやってはいませんでした。テスト等先生が自分に課したものに対して良い結果を出し、周りから称賛されるのが好き、という本当につまらない学生だったと思います(笑)。

しかし、大学進学直後、つまらない自分に嫌気がさしたこともあり、「未知の分野で少しでも興味が沸いた事があれば経験してみる。それを通して自分自身の課題に気づき、その改善の為にすぐ行動する」という姿勢をとる様になりました。その結果、例えば以下の様な経験を在学中に積むことができました。


『バックパッカー旅行』

特にイラン、パキスタン、インド、パレスチナ、キューバの現地大学生や住民と国際情勢を議論した経験が非常に面白かったです。しかし、その議論を通し自分の英語力の未熟さに気づきました。また、より良い議論をする為には選考の政治学だけでなく、他の分野についても視野を広げて学ぶ必要があると痛感しました。これらが自分の課題だと感じ、その克服の為に留学を決意します。


『カナダ留学』

上記2点の目的は達成できたものの、あるビジネス系の科目を通し、自分には国際的なビジネスの見識が全くないと痛感しました。この課題を改善する為、留学のプログラムが終了後直後にインドに飛び、地元企業でインターンシップを行いました。


『インドでのインターン』

衣料品を製造・輸出するメーカーの工場にて、新たな品質管理システムの導入や日系企業の顧客との商談を担当しました。これらを通して、国際商取引のダイナミズムを実感できたと考えています。
これらは全て「自分自身の課題を発見し、その克服の為にすぐ行動」した結果だと思います。社会人になってからの転職やMBA留学の背景にもこのプロセスがあります。渋渋時代の自分自身に対する反発心がなかったから今の自分はなかったかもしれません。

渋渋同級生の中村真利男くんとは今も親しくしています。現在、彼が始めたビジネスへFinanceとして参画することを考えています(副業として)。

話は逸れますが、キャリアカウンセリング事業を始められないか、と最近考えています。私はこれまで何人ものキャリアに関する相談を受けてきた経緯があります。相談を受けた人達はその後自分の特徴を理解し、何を仕事でしたいのかを整理することができたそうです。その後、その方々は希望の会社へ就職する等、ありがたいことに私のサポートのおかげだというコメントも頂きました。渋渋卒業生の社会人でキャリアの悩みを相談してみたい、という方は本アンケート下部の問い合わせフォームを通して連絡ください!

叶えたい夢や目標をお聞かせください。

私は組織の先頭に立つリーダーというよりは、ナンバー2的な参謀に自分は向いていると思います。その具体例として今思い描いているのが企業のCFO (Chief Financial Officer: 最高財務責任者) です。例えば以下の様なイメージです。

CEO (Chief Executive Officer: 最高経営責任者) が会社が進むべき道について悩み、会社内部の様々な部門の幹部から提案を受けたとします。大抵の場合、CEOは意思決定をする際に判断基準がないと決断ができません。自分はその判断基準を整備しようと努力します。例えば、もし会社がその挙がってきた提案を実行した際、財務的にどの様なインパクトがあるのかを私は定量化します。また、その提案内容にはどの様なリスクが潜んでいるのか、想定リスクの定量・定性情報も整備します。もし、その提案内容は魅力的だが実行するには追加資金が必要な場合、私は資金調達方法を別途提案してその魅力的な提案を実行可能な状態にします。これらの情報は全てCEOが必要とする意思決定上の判断基準です。この基準を私は整備し、CEOが意思決定し易い環境をつくります。

規模は異なるものの、私はこれまでその様な仕事を得意としてきました。今後、この将来像をかなえる為に必要なスキルや経験を次の会社で強化していくことが直近の目標です。

前述した様に、私の渋渋時代の友人が最近ビジネスを始め、私も今後Financeの観点でサポートすることになるかもしれません。大切な友人が行う大事な意思決定の場面において、私が上記の様な「意思決定がし易い環境づくり」を行い、結果友人のビジネスが成功する。これが今の私が思い浮かべる夢です。

在校生へ

私は自分自身について徹底的に考えた結果、この様な将来像や夢を思いつく様になりました。「自分はどの様な人間なのか。何が強み・弱みなのか。」、「そんな特徴を持つ自分は将来何がしたいのか。」、「そのやりたいことを実現する為には今は何をすべきなのか。」、この様な自問自答をし始めたのは大学生になってからです。渋渋時代、そんなことはあまり考えたことはありませんでした。私を反面教師として、皆さんには是非とも自分の特徴について深く考えてみてください。

その際、いつも参考になるのは過去の経験です。その経験の中で、自分はどの様な行動をとったか、何故その様な行動をとったのか、他人からはどの様に思われたか、ということを何度も自問自答し、その答えから「常にブレない自分の特徴」を発見してください。

この過去の経験という自分自身についての参考データを増やす為に、渋渋にいる間色々な事にチャレンジしてみてください。別に何かを立ち上げろという事ではなく、今いる環境の中でできることで良いと思います。例えば、今活動している部活や行事(飛龍祭、体育祭、合唱コンクール等)で周囲を観察し、改善点がないかを考え、改善案を提案・実行してみる。他にも、何等かの事情で気まずくなってしまった友達がいれば、何が原因だったのか考え、仲直りのアプローチ方法がないかを探し試してみる等、何でもよいと思います。

将来の進路や夢を考えるのも大事です。しかしその前にまずは目の前にある学業、部活、行事、人間関係について一生懸命取り組んでください。すると今まで気づかなかった「常にブレない自分の特徴」に気づき、将来の進路や夢に関係してくると思います。

自ら調べ、自ら考え(どっかで聞いた様な笑)、そして自ら行動する。これを繰り返すのみです!

人物紹介
2期生 白石 純
渋渋ではバスケットボール部、軽音楽部に所属。立教大学 政治学科を卒業後、コンサルティングファームに就職。その後外資系アグリビジネス企業のFinance部門に転職。MBA留学後、現在は外資系製薬メーカーでFinance部門のManagerとして活躍中。キャリアカウンセリング事業を検討中。

白石さんとコンタクトを希望の方はコチラ
問合せフォーム

この記事を